ドイツ語インテンシブコースは,大学生活の「ホームルーム」です。
インテンシブコースについて
インテンスブコースは,レギュラーコースでは飽き足らない人が,集中的に学んで,ドイツ語とドイツ語圏の文化・社会をより深く理解し,実践的にも十分な力を付けることのできるコースです。社会科学の知識に加えて,外国語専門の大学や学部にもまさる能力を身につけた多くの卒業生が,社会の各分野で活躍しています。
インテンシブコースは,初級から上級まで,関係するすべての教員がすべての学生を指導するという体制になっており,「ホームルーム」のような和やかな雰囲気の中で授業とさまざまな課外活動が行われています。
1.目標
法学部の学生のためのドイツ語インテンシブコースの目標は,次の4つです。
(1) 日常生活レベルにとどまらず,人前に出せる高いドイツ語の運用能力を獲得する
(2) ドイツ語圏の問題に通じ,日本の問題についてもドイツ語で表現し,議論できる十分な発信能力を持つ
(3) 専攻する法律学,政治学,社会学などの分野について,ドイツ語を駆使して研究活動を行う能力を持つ
(4) 将来の進路が何であれ,両文化圏の交流発展に寄与する意思と能力を持つ
各年次での目標
[1年間での予定到達度]
簡単な文章を読んで理解できる。基礎的なコミュニケーションに支障がない程度
[2年間での予定到達度]
新聞雑誌等の記事を読んで理解できる。日常の言語生活には支障がない程度
[3年間での予定到達度]
高度な抽象的内容の文章表現,口頭発表,議論,簡単な内容での逐次通訳が可能な程度
2.各学年での授業形態と履修方法
(1) 授業形態
1年次(初級)
毎週90分×3回(または2回)を1名の日本語母語話者教員が担当
毎週90分×1回(または2回)を1名のドイツ語母語話者教員が担当
2年次(中級)
毎週90分×2回を1名の日本語母語話者教員が担当
毎週90分×2回を1名のドイツ語母語話者教員が担当
3年次以降(上級)
毎週90分×1回を1名の日本語母語話者教員が担当
毎週90分×3回を2名のドイツ語母語話者教員が担当
(2) 履修方法
各学年ともに週4回の授業をセットで履修します。
(3) 単位計算
1年次,2年次の合計16単位のうち8単位が必修外国語(レギュラーコースの必修単位に相当)として,残りの8単位は選択外国語の単位として,また3年次以降は,すべての単位が選択外国語として認定されます。(すべてが卒業・進級単位となります。)
3.授業の内容
インテンシブコースは,文字メディア(「読む」「書く」)と音声メディア(「聴く」「語す」)の両面にわたり,受動的言語能力(「読む」「聴く」)のみならず能動的言語能力(「書く」「話す」)をも修得することが目標です。そのためレギュラーコースとは異なる3年間の一貫したプログラムが組まれています。
1年次(初級)では,早期にドイツ語文法の概略をつかみ,日常的な基本コミュニケーションに必要な表現を学びます。同時に簡単なテクストの読解も始まりますが,いわゆる「訳読」から,内容をできるだけ正確に,またすばやくつかむ「速読」の練習に徐々に移行していくことになります。12月はじめに行われる(財)ドイツ語学文学振興会主催のドイツ語技能検定試験の3級には全員が,また意欲的な人ならば2級にも合格できるでしょう。(この検定試験は隣あった2つの級を1日の午前と午後で両方受験できるようになっています。)
2年次(中級)には,前年度の基礎知識を拡充し,さらに深めるさざまな個別レッスンが行われます。6月に行われるドイツ語検定試験の2級には全員が合格できるでしょう。意欲的な人は12月に準1級にも挑戦しましょう。また翌年2月のゲーテ・インスティトゥートの初級修了試験(Goethe-Zertifikat B1)に合格することがこのクラスの最終目標です。
3年次以降(上級)は三田キャンパスに移っての授業となります。ここではドイツ語で書かれた日本論の本を速読して,日本事情をドイツ語で説明する力を付けることが1つの目標です。また国際センターに留学中のドイツ語圏の留学生やドイツのメディアの日本特派員,日本を訪れている法律家など,さまざまなゲストを迎えて,演習形式で日本事情,ドイツ事情などをテーマに口頭発表を行い,その後ディベイトやディスカッションをします。ドイツ大使館やドイツ商工会議所を訪れて話を聴いたり,研究発表をさせてもらうこともあります。これまで身につけてきたドイツ語力に,法律学や政治学の知識を結び付けるのはこれからです。ドイツ語圏の高等学校で学ぶ程度の人文・社会系の話題にドイツ語でついて行けるようになり,自分でも話題提供をできるようになることが最終目標です。
インテンシブコースを3〜4年間履修した人は,ドイツ語圏での日常生活に支障がなく,努力すれば大学の講義も理解可能な程度のドイツ語運用能力を習得できます。またドイツ語技能検定試験の準1級,1級,ゲーテ・インスティトゥートの実施する中級修了試験(Goethe-Zertifikat C1)に合格することも目標のひとつにしておいてよいでしょう。これらの試験の合格を経て,3年次または4年次で留学することも可能になります。
インテンシブコース受講者は,毎年3月に行われる「ドイツ語インテンシブ海外研修」に優先的に参加することができます。
インテンシブコースは特に意欲のある人のために設けられたものです。定員は1クラス20名です。入学時に本コースを選択したものの,脱退を希望する場合は,担当者とドイツ語学習指導担当教員に申し出て適宜レギュラーコースに変更することができます。
なお,インテンシブコース履修者のために毎年4月第2週の週末にオリエンテーションを行っています。ドイツ語圏での語学研修や留学など も展望に入れて,4年間の学習計画をたてるために必ず参加して下さい。費用は交通費を含め11,000円程度です。
※ コロナ禍の現在,オリエンテーションはオンラインで行われます。
4.さまざまな活動
インテンシブコースでは,ドイツ語を使ってのさまざまな機会を提供・支援しています。
インテンシブコース主催のものには,4月第2週週末のオリエンテーション(神奈川県三浦海岸)の他,8月の夏合宿(長野県茅野市),12月のクリスマスパーティ,2月の卒業生追い出しコンパ,3月のドイツ語インテンシブ海外研修などがあります。
また学外のドイツ語スピーチコンテストへの出場,外部のドイツ研修奨学金への応募,ドイツ語圏の大学への留学への応募など,意欲ある学生のチャレンジに対し,最大限の支援を行っています。
※ コロナ禍の現在,これらの活動は大部分休止を余儀なくされています。